この記事について
この記事は、父の相続で私が実際に金融機関の手続きを行った記録です。私は相続の専門家ではありません。必要書類や手続き方法は、金融機関や相続の状況によって異なる可能性があります。個別の手続きは各金融機関に、税務上の判断が必要な場合は税務署または税理士に確認してください。
父が亡くなったあと、私が金融機関の相続手続きを進めることになりました。
対象になったのは、地方銀行、ゆうちょ銀行、農協系の金融機関の3つです。相続人は高齢の母と私の2人で、遺産の分け方について争いはありませんでした。
3つの金融機関への最初の連絡・来店は、すべて5月1日です。私はその日にまとめて回りました。
ところが、終わり方はまったく同じではありませんでした。
地方銀行は、必要書類が足りずに一度自宅へ戻ったものの、同じ日に再来店して手続き自体は完了しました。ゆうちょ銀行は、最初の日は説明を受けるところまでで、6月2日(火)にもう一度来店して提出・完了しました。一方、農協系の金融機関は、完了まで約2か月かかりました。
ただし、農協系だけ金融機関の処理が遅かったわけではありません。
一番遅れた原因は、私です。
5月1日の時点で提出するものは説明されていたのに、私がその対応を忘れ、そのまま止めてしまいました。
この記事では、「銀行の相続手続きはどれくらいかかるのか」「自分で進めると何回くらい窓口へ行くことになるのか」という点を、私自身の3つの実例から振り返ります。
父の相続で、どの金融機関に何の手続きが必要だったか
父の相続で私が実際に手続きをした金融機関は、地方銀行、ゆうちょ銀行、農協系の金融機関の3つでした。
金融機関の相続というと、最初は「父名義の口座を確認して、必要な書類を出せばよい」という程度のイメージを持っていました。
実際には、単純に通帳だけを見て終わる話ではありませんでした。
地方銀行とゆうちょ銀行では預貯金の相続手続きを進めました。農協系の金融機関では、口座に加えて、共済や出資金も手続きの対象になりました。
農協系の金融機関では、私と母が記入する書類と印鑑証明の提出を求められました。
相続手続きでは、戸籍や印鑑証明など、不動産の相続登記と共通して準備する書類もありました。ただし、金融機関ごとに何が必要かは異なる可能性があるため、ここに書いた内容は私の一例として読んでいただければと思います。
銀行の相続手続きはどれくらい?5月1日に3機関へ着手
私が3つの金融機関を回ったのは5月1日です。
平日は仕事があるため、金融機関の窓口へ行ける日は限られていました。そこで、行ける日にまとめて動こうと考え、1日で地方銀行、ゆうちょ銀行、農協系の金融機関を回りました。
同じ日に始めたので、結果の違いはかなり分かりやすく残りました。

| 金融機関 | 手続きの経過 | 振込 | 5/1からの日数 |
|---|---|---|---|
| 地方銀行 | 5/1に来店 → 書類不足で一度帰宅 → 同じ5/1に再来店 → その日のうちに完了 | 5月15日(金) | 14日 |
| ゆうちょ銀行 | 5/1に来店・説明を受ける → 6月2日(火)に再来店して提出・完了 | 6月上旬 | 32日 |
| 農協系の金融機関 | 5/1に提出物の説明を受ける → 私が提出を忘れて放置 → 6月29日(月)に来店・提出・完了 | 6月30日(火) | 60日 |
同じ5月1日に着手しても、地方銀行は14日、ゆうちょ銀行は32日、農協系の金融機関は60日と、振込までの期間には段階的な差がありました。農協系については、自分が提出を止めたことが約2か月かかった原因です。
私にとって大きかったのは、処理期間そのものよりも、平日に何回窓口へ行く必要があるのかが事前に分からなかったことでした。
仕事をしながら進める場合、ここがかなり現実的な制約になります。
同じ日に終わった地方銀行と、2回行ったゆうちょ銀行
地方銀行は同じ日に2回来店して手続き完了
地方銀行には5月1日に来店しました。
ところが、最初の来店では必要書類が足りませんでした。そのまま手続きはできず、一度自宅へ戻って書類を取り、同じ日にもう一度来店しています。
結果として、窓口へは同じ日に2回行くことになりました。
必要書類をそろえて再来店したあとは、その日のうちに手続き自体は完了しました。相続分が振り込まれたのは、5月15日(金)です。
この経験で強く感じたのは、「窓口へ行けば、その場で不足書類も何とかなる」とは考えない方がよかったということです。
私の場合は自宅へ取りに戻れる状況だったため、その日のうちに再来店できました。しかし、平日に動ける日が限られている中で、書類不足による出直しは負担でした。
一方で、必要書類がそろったあとの手続きは、その日のうちに終わっています。
ゆうちょ銀行は説明を受け、6月2日にもう一度来店
ゆうちょ銀行にも5月1日に来店しました。
ただし、この日は手続き完了まで進んでいません。
窓口では、書類の記入方法と必要書類について説明を受けました。その内容をもとに準備し、6月2日(火)にもう一度来店して書類を提出し、手続きが完了しました。
その後、6月上旬に相続分が振り込まれています。
地方銀行と比べると、ゆうちょ銀行は「最初に説明を受ける日」と「書類を提出する日」が分かれ、5月1日から手続き完了まで32日かかりました。
私にとっては、これも実際にやってみるまで分からなかった点です。
「銀行の相続手続きを自分で進める」といっても、1回の来店で終わるとは限りませんでした。仕事を持っている人にとっては、必要書類だけでなく、最初の段階で「この手続きは何回来店する可能性があるのか」を確認しておく意味は大きいと感じました。
約2か月かかった理由は、金融機関のせいではなかった
金融機関の相続手続きに着手した5月1日は、父が亡くなってから3か月以上たった時期でした。私は、実家の公共料金などの引き落としや支払い方法の変更を先に済ませてから、金融機関の手続きを始める段取りにしました。口座の手続きが始まったあとに支払いが止まる可能性を考えたためです。
3つの中で、完了まで最も時間がかかったのは農協系の金融機関でした。
約2か月です。
ただし、ここは誤解のないようにはっきり書いておきます。
手続きが止まっていたのは、金融機関の対応が遅かったからではありません。私が動かなかったからです。
5月1日に父が亡くなったことを伝えた時点で、私と高齢の母が記入する書類と、印鑑証明を提出するよう説明を受けていました。
つまり、私が次に何をすればよいのかは、その時点で分かっていました。
ところが、私はその提出対応を忘れました。
期限が目の前にある手続きではなかったこともあり、いったん止めたまま日常に戻り、そのまま放置してしまいました。結果として、手続き全体が約2か月に延びました。
最終的に窓口へ行って書類を提出したのは、6月29日(月)でした。手続きはその日に完了し、6月30日(火)に振り込まれました。
止まっていた約2か月のあいだ、金融機関側で何かが滞っていたわけではありません。私が出していなかったので、そもそも始まっていませんでした。

必要な案内は受けていたのに、自分が提出しなければ当然その先には進みません。
相続の手続きは、一つ終わるとすぐ次の手続きが出てきます。仕事をしながら進めていると、「あとでやろう」と保留したものが、そのまま抜けることがあります。
私の場合、一番時間を延ばしたのは金融機関側の処理ではなく、自分の提出忘れでした。
通帳だけ探しても足りなかった——共済と出資金も対象だった
金融機関の相続手続きを始めるとき、私はまず通帳や口座を確認する意識が強くありました。
しかし、農協系の金融機関では、それだけでは足りませんでした。
父には、口座以外に共済と出資金がありました。共済についても相続の手続きをしています。出資金は、払戻しの手続きをして解約しました。
いずれも口座とは別の手続きになりますが、同じ担当者がその場でまとめて対応してくれました。
この経験から、相続で金融機関を確認するときは、「通帳があるか」だけでは見落とす可能性があると感じました。
少なくとも私の家では、金融機関との関係を示すものが通帳だけではなかったからです。
共済証書など、口座以外の書類も探す必要がありました。

実際に証書を持って窓口へ行ったことで、こちらが把握していなかった分についても教えてもらえました。手元にあるものを持参して確認してもらうのが、結果的に確実でした。
金融機関の手数料はかからなかった——実費は書類の発行手数料だけ
私が利用した地方銀行、ゆうちょ銀行、農協系の金融機関では、いずれも相続手続きそのものについて手数料はかかりませんでした。窓口で相続手続きの手数料を支払ったことはありません。
実費としてかかったのは、役所で取得した登記簿と印鑑証明の発行手数料です。私の自治体では、登記簿が1通300円、印鑑証明が1通200円でした。私は登記簿と印鑑証明を、それぞれ3通ずつ準備しました。
実際に3つの金融機関を回ると、私が利用した3機関では、原紙を窓口へ渡したあと、その場でコピーを取って原紙を返してもらえました。そのため、3通ずつ準備していましたが、実際に必要だった原紙は登記簿、印鑑証明ともにそれぞれ1通ずつでした。
ただし、書類の発行手数料は自治体によって異なる可能性があります。また、必要な書類が原紙なのかコピーでよいのか、原紙を提出したあとに返してもらえるのかも、金融機関によって異なる可能性があります。私が利用した3機関で原紙が返ってきたからといって、ほかでも同じとは限りません。
そのため、来店前に電話で「必要な書類」「原紙が必要か」「原紙は返却されるか」を確認しておくとよいと感じました。私の場合、この3点を事前に確認できていれば、準備する書類の部数も判断しやすかったと思います。
銀行の相続手続きを自分で進めて、先に知りたかったこと
3つの金融機関を回ってみて、私が最初に知っておきたかったことは、難しい制度の話よりも実務的なことでした。
一つ目は、必要書類を来店前に確認することです。
私は地方銀行で書類が足りず、一度自宅へ戻りました。たまたま同じ日に再来店できましたが、仕事の都合で次の平日まで動けなければ、それだけで手続きは後ろへ延びます。
二つ目は、最初の段階で「何回来店する可能性があるのか」を聞くことです。
私のケースでは、地方銀行は同じ日に2回来店しました。ゆうちょ銀行は5月1日に説明を受け、6月2日(火)にもう一度来店して提出しました。
1回で終わるのか、説明と提出で日を分けるのかが分かれば、仕事の休みも組みやすくなります。
三つ目は、依頼された提出物を保留にしないことです。
農協系の金融機関では、5月1日に何を出すかを説明されていました。それでも私が忘れたため、完了まで約2か月かかりました。
期限が明確でない手続きほど、「いつまでに自分がやるか」を自分で決めておく必要があると感じました。
四つ目は、通帳以外の証書や書類も探すことです。
私の場合、農協系の金融機関では共済や出資金も手続きの対象でした。口座だけを見ていると、それ以外のものを見落とす可能性があります。
そして、仕事を持ちながら相続手続きを進めるうえで、私が最も大きな障壁だと感じたのは、窓口が平日に限られることでした。
書類を書く作業そのものより、「次に窓口へ行ける日はいつか」を考えることの方が、実際には重く感じる場面がありました。

3つの金融機関には同じ5月1日に着手しました。
地方銀行はその日のうちに手続きが完了し、5月15日(金)に振り込まれました。ゆうちょ銀行は6月2日(火)の2回目の来店で手続きが完了し、6月上旬に振り込まれました。農協系の金融機関は6月29日(月)に提出・完了し、6月30日(火)に振り込まれましたが、約2か月かかった理由は私自身の提出忘れでした。
同じ「金融機関の相続手続き」でも、終わるまでの流れは同じではありませんでした。
私の経験が、そのまま他の人にも当てはまるとは限りません。だからこそ、これから手続きをする場合は、最初に各金融機関へ必要書類と来店回数を確認し、自分が止めている提出物がないかを一つずつ確認していくのが現実的だと思います。
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